No.016-パソコン業務が多く、目が疲れて仕方ない
現代はパソコン社会といってもいいほど、何をするにもPCの液晶画面をみなくてはならない時代になりました。それに伴い、昔ではなかったような、異常な目の疲れを感じる方が急増してきています。なぜパソコン業務で目が疲れるのか?
■理由1
1番の理由はパソコン業務は「近くを見る作業」だからです。以外に気づかれてない方が多いのですが、パソコンの液晶画面をみるのは、本を読んだり新聞をみたりするのと同じく、「近くを見る作業」なのです。
眼球の中には、ピントを近くに持ってくるための小さな筋肉があります。近くを見るときはこの筋肉がギュッと収縮して、ピントを近くに寄せるのです。
近見作業であるパソコン業務中も、この筋肉はずっと収縮しているので、長時間続くと筋肉痛を起こしてきます。
重いものを何時間も持っていると腕がだるくなってくるのと同じ原理です。さらに無理をすると筋肉痛が広がり、頭痛も引き起こし、最後には肩こりや吐き気まで起こすこともあります。
■理由2
2番目にパソコンを見るような業務は得てして重要な業務が多く、ミスができないため集中します。人は集中すると「まばたき」が少なくなります。すると目が乾いてドライアイになります。
集中しているので、目が乾いて痛くなってきているのに気付かず、休まず作業してしまい渇きが悪化します。
■理由3
3番目には、モニターの位置が高すぎることが考えられます。人は自分の顔よりも高いところにあるものを長時間みると疲れます。株式のトレーダーの方などは目線よりも高いところにあるモニターを長時間集中してみるため眼だけではなく肩こりや頭痛まで抱えている方が多いのも事実です。
パソコン業務をするときに目が疲れない方法としては
1.パソコン用メガネの作成。
パソコン用メガネはピントを近くに持ってくる意味があります。本来目の中の筋肉が行っていたピントを近くに持ってくる役割を、メガネで代用させるのです。すると、近くを見ても筋肉は収縮しなくてよいので筋肉痛も起こりにくいというわけです。
パソコンは近くを見る作業と前述しましたが、厳密には老眼鏡よりもちょっと遠くにピントが合うくらいの中距離のメガネがベストです。当院ではパソコンで目が疲れる方はパソコン用メガネを処方しております。
裸眼で1.0あるような方には一般的な老眼鏡よりも少し弱いくらいの度数のメガネ。一方、もともと近視で、すでにメガネをかけている方には今のメガネよりも度数を少し落としたメガネをもう一本PC用メガネとして処方します。いずれも実際のパソコンの距離をみながらメガネを合わせていきます。
○メガネ購入時の注意点
メガネは眼科での試しがけの時はよく見えても、実際に出来上がってきて、かけてみるとよく見えない場合があります。レンズ枠の大きさや鼻当ての位置によりレンズの中心に目の中心が来てなかったりなど、色々原因が考えられますが、場合によってはレンズの度数を変えることもあります。
なので眼鏡屋さんで購入するときには、その店に保証期間があることを必ず確認してください。保証期間内であれば無料で度数交換が可能です。
2.休憩を入れる。
パソコン作業は集中してしまうので、ついつい2時間、3時間と休まずに没頭してしまいがちです。
その間、眼球の中のピントを近くに持ってくる筋肉も緊張しっぱなしになります。
できれば30分に一回、無理なら1時間に一回窓の外の遠くの景色を1分くらい眺める休憩を入れます。筋肉をゆるめてあげるわけです。
「そんなことをいっても現場は忙しいし、周りの手前、休憩はとれない」という方は、ときどきモニターから目を離して、チラッと壁の方を見るだけでも効果があります。休憩中ドライアイ用の目薬をさすのもよいでしょう。
3.モニターの位置を下げる
現在のモニターの位置が目線以上にある方は、机やイスの高さを調節して、モニターが目線よりも下に来るようにしてみてください。
4.蒸しタオル
一日の仕事が終わり、帰宅されたら、やけどしない程度に熱い蒸しタオルを作り、目を閉じてそっと目の上にのせます。
すると目が暖まり、目の血行がよくなり、ピントを近くに持ってくる筋肉の疲れも取れます。蓄積しがちな目の疲れを翌日に残さないようする意味もあります。
パソコン作業で目が疲れる方は、以上のような工夫を行っていただくことをお勧めいたします。