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よくあるご質問

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No.031-近視が進まない方法は?(低濃度アトロピン点眼~こどもの近視が進まないようにするための新しい試み)

こどもの目が悪くならないようにすることは、親御さんにとって昔から切実な望みです。そのために色々研究されています。これまでもいくつか報告されていますが、主にメガネ(累進屈折力眼鏡、軸外収差抑制眼鏡とよばれるメガネ)や目薬(ピレンゼピン塩酸塩やアトロピンとよばれるメガネ)です。でもこれらは日本では手に入らなかったり、高価だったり、副作用があったりでなかなか実際やるには難しいところがありました。
でも最近、アトロピンという目薬をすごく薄くして、毎日点眼すれば近視が進みづらくなった、という報告が海外の有名な学術雑誌に掲載され、注目を集めています。
そもそもアトロピンという目薬は、斜視弱視専門の眼科医にとっては、なじみが深く、主に内斜視(より目)に対する検査や弱視の治療に使っています。私も斜視弱視外来でよく処方します。
でもまぶしかったり、みづらくなったり、発熱したりと、これらは一時的ですが、副作用が少し多い印象があります。このアトロピンを小児眼科の特殊な検査だけでなく、実は近視予防にも使えるということは以前からわかっていました。
が、前述の副作用のため、親御さんも嫌がることが多く、斜視や弱視のためにどうしても必要で使うならまだしも、近視予防の方法としては今一つ流行りませんでした。
この使いづらいアトロピンですが、「実は100倍くらいに薄めて使っても、近視がそこそこ進みづらくなる」ということが報告されたのです。100倍くらいに薄めているので副作用がでづらい、というところがポイントです。
私自身の感想としては「100倍薄めても近視予防に効くならいいなあ、患者様にお勧めしようかな?」という感じです。ちなみに私は斜視弱視外来では、赤ちゃんとか6歳未満の小さい子の内斜視検査では2倍薄めで使っています。たまに副作用がでて中止しますが、重大なことになったことは一回もありません。なので経験的に100倍薄めればまず大丈夫だろうとは思います。
今後、日本でもこの近視予防法が広まる可能性は高いと思います。実際、日本でもこの「100倍薄めたアトロピン目薬」の研究が各大学病院で始まろうとしています。すでに、「やってみたら副作用がほとんどなかった」という論文も国内でで初めていて、こどもの近視予防のための簡単かつメジャーな選択肢になるかもしれません。

No.030-テレビを近くで見ると目が悪くなるのか?

学校健診の時期になりました。この時期では特にそうなのですが、小中学生のお子さんを持つ親御様から、「テレビを近くであまり見ない方がよいですか?」という、質問を受けます。テレビを近くでみると目は悪くなります。
テレビに限らず、何をするにしろ近づきすぎてみていると、近視が進んで目は悪くなります。
学童期に目が悪くなるのはほとんどが近視(近眼)が進むからです。このくらいの年でそうなるのは親が目が悪かったことよりは、生活環境が原因だと報告されています。さらにどんな生活をしていると近視が進むか日本や海外で研究されその報告がたくさんありますが、ざっとまとめると
<近視が進む原因>
①近くを見すぎている
②都会での生活
③知能指数が高い
④学歴
②③④に関しては、そのこと自体が原因になるわけではないような気がします。都会で生活するとスマートフォンやパソコン作業をする機会が増え、①の「近くを見すぎる」時間が増えますよね。③④も最近では中学受験をするお子さんが増えました。すると小学生が終わった後に夕方から塾に通って9時まで勉強したりするので必然的に①の「近くを見すぎる」時間が増えます。結局、大きな原因としては「近くを見すぎている」ということだと推測されます。
今年の眼科学会誌に面白い論文が発表されました。
東京都と小笠原諸島にそれぞれ住む小中学生に対し、視力健診の結果がどれくらい違うのか調べたところ、小笠原諸島に住む小中学生の方が明らかに視力が良かったという結果が報告されました。
さらにこの研究では、小笠原諸島にテレビ放送が始まる前と始まった後ではそこに住む小中学生の視力がどうなったか、ということも同時に調べました。すると、テレビ放送が始まってからだんだん視力が悪くなってきているという結果でした。
こういった研究からもテレビを見ると視力が悪くなるという可能性は十分あると思います。

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